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9分間の読み物

ジップロックバッグ製品のリサイクル:プラスチックフィルムの路肩収集リサイクルを地域社会に

ここに、ある残念な統計結果があります。現在米国には、ジップロックブランドの袋製品や他のプラスチックフィルム製品をリサイクル回収している店舗が18,000軒以上あります。しかし、毎年実際に回収されるプラスチックフィルムは、4%ほどにすぎません。 
 
廃棄物を減らすことが大切であると考える私たちにとって、これは何としても変えたい統計です。リサイクル率を上げる最良の方法は、路肩収集リサイクルなどのリサイクルプログラムを便利に利用しやすくすることです。私たちがプラスチックフィルムのご家庭でのリサイクルの実現に取り組んでいるのはこれが理由です。米国各地の地域社会と連携して、家庭のリサイクルプログラムにプラスチックフィルムを受け入れるように働きかけ、2019年に最初のパートナーシッププログラムの始動を発表しました。

プラスチックフィルムのご家庭でのリサイクルを推進するSCジョンソン社のパイロットプログラム

2019年11月から、ニュージャージー州ブラッドリービーチの住民は、ビニール袋、プラスチックフィルム、プラスチックラップを路肩収集用リサイクル回収ボックスで直接リサイクルできるようになりました。ブラッドリービーチ区がSCジョンソン社と提携して立ち上げたこのパイロットプログラムは、プラスチックフィルムを路肩収集してリサイクルするニュージャージー州初のプログラムです。これまで住民は、店舗の回収プログラムを利用してプラスチックフィルムをリサイクルしなければなりませんでした。

このプログラムは消費者に便利なオプションを提供することで、リサイクル率の向上に貢献します。このパートナーシップの一環として、SCジョンソン社ではリサイクルに関する教育資料を地域社会に配布し、ゴミ収集車と路肩収集用リサイクル回収ボックスに資金を拠出しています。

回収されたプラスチックフィルムは、ブラッドリービーチ公共事業局(DPW)が最終市場の購入業者に販売します。

消費者がプラスチックを手軽にリサイクルできるようにすることは、廃棄物削減のための最良の方法の1つです。「ブラッドリービーチのこの取り組みに参加できる機会を与えてくださり光栄に思います。コミュニティのリーダーの皆様に感謝いたします。これをきっかけに、今後も数多くのパイロットプログラムがアメリカ中で展開されることを願っています。」

SCジョンソン社会長兼CEO、フィスク・ジョンソン

プラスチックフィルムのリサイクルに関する問題の理解

ブラッドリービーチ区のプログラムは新たな試みですが、リサイクルに対する私たちの取り組み自体は新しいものではありません。

ジップロックブランドの袋製品がまさにその例で、何年もかけてリサイクルと再利用をしやすい方法を調査してきました。私たちが最初に注目したのは、当社製品の最大市場である米国です。調査をすると、消費者のリサイクル回転数を増やすためには、根本的に2つの問題を解決する必要があることが分かりました。 

第一に、リサイクル後のプラスチックフィルムが価値を生む市場が必要です。それが存在すれば、リサイクルを楽にするプログラムが増えるきっかけとなります。第二に、すでにジップロックブランドの袋製品はリサイクル可能ですが、当社の最終的なビジョンは同製品を路肩収集用リサイクル回収ボックスを使用してどこでもリサイクル可能にすることです。そうすれば、より便利になり、願わくばリサイクル数も増えることでしょう。 

プラスチックフィルム:リサイクルや再利用のための市場

当社が掲げている優先事項の1つは、使用済みのプラスチックフィルムを実際に使えるものに作り直すことです。その理由は、再生プラスチックの新しい利用機会が見つかれば、手軽なリサイクルの機会も自ずと生まれることを経験から知っているからです。

ヨーロッパではすでに、プラスチックフィルムの汚れを洗い流す用具が普及しています。路肩収集リサイクルで主な障害となるのが、リサイクルボックス内ではプラスチックフィルムに泥やその他の汚れが付着しやすく、最終市場の価値が下がってしまうという点です。実際に、現在米国のリサイクル施設のほとんどが、プラスチックフィルムをリサイクル処理から外し、埋立地へと直送しています。 

ただしこれよりも良い方法があります。ヨーロッパでは、汚れたプラスチックフィルムは洗浄してペレットにし、溶かして別の方法で利用できるようにしています。このコンセプトを基に、当社はゴミ袋メーカーと提携し、そのメーカーにリサイクル済みのプラスチックペレットを使用してゴミ袋を製造してもらうというパイロットプログラムを米国で始動しました。 

ビニール袋のリサイクルに隠された、変革のチャンス

今後もプラスチックのリサイクルに関する技術や機会が切り拓かれるにつれ、何十万キロものプラスチックフィルムが埋立処分を免れる可能性が高まると考えると、非常に楽しみです。そして、私たちは必ずやその目標を達成すると確信しています。

SCジョンソン社がリサイクルの変革を試みたのは、これが初めてではありません。1990年代に、当社は全国草の根運動連合を率い、スチール缶のリサイクル推進を呼びかけました。例えば、スプレー缶など当社製品の多くはスチール缶を使用しています。2016年には、米国の2億2,200万を超える人々が、スプレー缶のリサイクルに路肩や近隣での収集オプションを利用できるようになりました。

同様に、アルゼンチン、チリ、ウルグアイでも、スプレー缶のリサイクルをより効率化する革新的なリサイクルプログラムを立ち上げ、さらに廃棄物管理施設の社員の労働環境を改善する取り組みも行いました。 

プラスチック廃棄物削減に取り組むSCジョンソン社

当社のジップロックブランドの袋製品は、何百万、何千万というご家庭の人々の生活を、便利でよりよいものにしています。この袋製品のリサイクル率を増やすことによって、その価値はいっそう高まります。今後も同製品のリサイクルが皆様にとって便利になるよう、取り組みを続けていきますのでご安心ください。そして私たちも、袋やその他ご利用のリサイクル対応製品をリサイクルするチャンスを、皆様に掴んでいただけるよう願っております。
プラスチック廃棄物の削減を目指すSCジョンソン社のその他の取り組みについては、以下をご覧ください。

  • SCジョンソン社では、リサイクル可能、再利用可能、またはコンポスト可能な設計のプラスチックパッケージを、2017/18年度の90%から94%にまで増加。目標は2025年までに100%達成することとしている。
  • SCジョンソン社では、ポストコンシューマーリサイクル(PCR)ボトル(使用済みのリサイクルボトル)を複数の製品ラインで使用し、2019年には初の100%海洋プラスチックボトルを発表。このボトルは、効率的な廃棄物回収システムが整備されていない国で、海岸線から48メートル以内の海または河川域から収集されたプラスチック廃棄物で作られている。 
  • 2018/19会計年度中に、SCジョンソン社は一次パッケージから170万キログラムを超えるプラスチックを除去した。


私たちが協力し合うことで、未来の世代のために地球を守る一歩が踏み出せるのです。


「何十年もの間、私たちは環境フットプリントの削減に取り組んできました。それが私たちの在り方であり、企業理念です。ジップロック袋製品のリサイクルは、その一例にすぎません。」

- SCジョンソン社会長兼CEO、フィスク・ジョンソン