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10分間の読み物

蚊刺や家庭害虫との闘い:保護、予防と教育

世界保健機関によると、世界人口の約半分がデング熱の危険に晒されています。マラリアは2分に1人の子供の命を奪い、チクングニア熱は60か国以上で発症が確認されています。また2016年には、妊娠中の母子感染が脳の異常に関係するというジカ熱が計り知れない脅威として出現しました。  
 
感染症を媒介する昆虫の効果的な予防策がご家庭で必要とされています。家庭用虫よけ製品の世界的大手企業であるSCジョンソン社は、自らこれらの脅威に立ち向かっています。当社では日々、蚊からご家族の身を守るのに役立つ製品を製造し、同時に昆虫が媒介する病気の予防法の教育も行っています。
蚊はどのように病気をまん延させるのか
蚊は約3,500種おり、事実上世界のあらゆる場所で存在が確認されています。

虫よけ製品:殺虫剤、防虫剤

当社の取り組みは、蚊からご家族の身を守るのに役立つ製品に端を発します。1955年に家庭用殺虫剤のレイドを発明したSCジョンソン社は、1957年にDEET配合虫よけ剤処方のオフ!を発売した世界初の大手企業になりました。その結果、同製品により何百万ものご家庭に蚊対策が普及しました。以前はほとんどの虫よけ製品にクマの脂肪から精製した油のような成分が含まれており、匂いがきつく効果もさほどありませんでした。またそのような製品が広範囲に普及することもありませんでした。 
 
現在SCジョンソン社は、人や空間に使えるさまざまな虫よけ製品を世界中で展開しており、製品にはDEETやpicaridinなど虫よけ効果の高い有効成分が配合されています。(虫よけ製品のご使用に際しては十分ご注意ください。また、ラベルを必ずお読みになり、用途に合った製品を選んで正しくご使用ください。)
 
また、ゴキブリやアリ、ムカデ、クモなど家庭にいる害虫を駆除、抑制、予防する製品も展開しています。当社は長時間効果の持続する蚊よけやスピーディに害虫を駆除する殺虫剤、病気を媒介する昆虫に効果のある虫よけの開発を目指し、継続的に改良を重ねています。併せて、製品を必要とされる皆様に手頃な価格でご提供できるよう、できる限りの企業努力を続けています。

SCジョンソン社のオフ!Deep Woods虫よけスプレー
虫よけ剤ブランドのオフ!は60年にわたって、蚊による被害からご家族の身を守れるよう支援し続けています。

SC Johnson Institute of Insect Science for Family Healthでの昆虫研究

当社の取り組みはすべてSC Johnson Institute of Insect Science for Family Healthの功績によって成り立っています。同研究所は世界でも最大級の規模を持つ民間の都市昆虫学研究所であり、ウィスコンシン州ラシーンに位置する当社のグローバル本社のすぐ近くにあります。
 
ラシーンにいるSCジョンソン社の研究員は、1950年代から昆虫の研究や対処に取り組んできました。研究員の専門分野には、昆虫の生物学、生理学、生態学、行動学、毒物学の科学分野のほか、感染管理や昆虫が媒介する病気の予防も含まれます。 
 
2013年には研究事業をさら拡張し、中国で同種の研究施設第1号を開設しました。

意識向上を目指した啓蒙活動:蚊が媒介する病気に関する教育ツールキット

病気予防の取り組みにおいて、製品以外の重要な要素は、病気を媒介する昆虫の予防に関する知識をご家庭に広めることです。特に、一部の熱帯諸国で蚊を媒介して伝染するマラリアやデング熱に関する教育は大切です。
 
当社は、店頭でのプログラムや地方自治体との協力、試供品の配布といった取り組みを通じ、そうした病気の伝染や蚊による被害から身を守ることの重要性を教育する活動を行っています。 
 
同プログラムはレイド、オフ!、ベイゴンなどの自社ブランドが長期にわたってさまざまな国で後援している公衆衛生プログラムであり、今では当社製品を必要とする方々への重要な啓蒙手段となりました。
 
たとえば、10年以上もの間SCジョンソン・フィリピンが実施している「IWASデング」プログラムでは、毎年10万世帯にデング熱感染予防情報を届け、蚊の繁殖エリアに無料で薬の散布を行っています。
 
近年当社ではこのモデルをベースに、蚊が媒介する病気に関するグローバルな教育ツールキットを作成しました。これにより、感染病の流行の兆しが見えた際は迅速かつ効果的にプログラムを実施でき、世界中でスムーズな活動が可能になりました。ツールキットには学校教育プログラムや試供品配布のガイドライン、薬の散布などの公衆衛生活動も含まれています。 
 
同プログラムは現在、中南米やアジア、アフリカの国々で実施されています。 

防虫剤・殺虫剤を使ったデング熱の予防と教育
ベイゴンブランドは数十年にわたってアジア地域の生徒を対象とした教育プログラムを実施

研究から得た知識:蚊の抑制と予防

病気予防への取り組みにおけるもう1つの狙いはフィールドリサーチです。さまざまな使用場面でどの製品が現地の人々に推奨されるか、製品の使用をどのように促し、広めていくべきかを調査します。たとえば、SCジョンソン社は数年にわたってビル&メリンダ・ゲイツ財団と協力し、マラリアに感染した蚊を寄せ付けない空間的な虫よけ効果の研究に資金を提供しています。 
 
その他にも、ガーナやペルー、ミャンマー、インドネシアをはじめとする国々に当社の研究員を派遣し、病気を媒介する蚊と接触するリスクの高い農村部で、家庭での慣習、伝統、ライフスタイルの実地調査を行っています。そのような経験を通じて、当社の専門家は製品の改良機会や、家庭での使用にさらに効果を発揮する新製品の開発機会を見つけることができます。
 
2012年、SCジョンソン社とコーネル大学の「持続可能なグローバル企業」センターは、ガーナでWOW™クラブのパイロット版を立ち上げました。これは、防虫剤や殺虫剤を農村部のご家族に普及させる新たなビジネスモデルを通して、マラリアの感染を減らし、ご家族を支援する新しい方法を模索するものです。そこで行われた取り組みにより、低所得層の専業主婦の方々が自宅や家族のケアをできるようになりました。
 
現在コカ・コーラ社と共同で実施しているプログラムでは、蚊よけ剤をエコセンターに蓄えておくことでルワンダの農村部へよりスムーズに提供できるようにしています。このモジュール式小売店は女性起業家たちが運営しています。

 
SCジョンソン社は、ノートルダム大学、サンバ財団、およびアイクマン研究所と協力し、ビル&メリンダ・ゲイツ財団の資本支援のもと、空間用虫よけ剤がマラリアなど蚊が媒介する病気の感染予防の有効なツールとなることを実証する研究に着手しました。SCジョンソン社はこの研究のために革新的な空間用虫よけ剤を開発し、その効果を測るための調査がインドネシアのサンバにあるコミュニティで実施されました。その結果、いくつかの村落で初感染が28%減少し、蚊が非常に多い地域ではマラリア感染率が全体として66%減少しました。
 
当社はさまざまな地域で新たなアイデアを試し学び続けていますが、「病気を媒介する蚊からご家族を守る」という目標は決して変わっていません。

蚊から家を守る(戸外編)

昆虫科学研究を活かす

2016年にジカ熱の出現が確認された際、当社は新たな教育の機会を認識しました。そこで60年にわたる昆虫科学研究で培った見識を凝集し、蚊に関する特別教育ウェブサイトを立ち上げ、ご家族の皆様が蚊や蚊が媒介する病気への理解を深められるよう支援しました。 

わずか数週間で立ち上げられたウェブサイトは世界14か国語に対応しています。リスクに晒されている方々や自己予防の情報を求めている方々が、アドバイスや専門家からの情報を得られ、動画も視聴できる場となりました。 

またセサミストリートと協力して「1,2,3, Stay Away Mosquitoes(イチニノサン、蚊よ、あっち行け)」プログラムを立ち上げ、小さなお子様を持つご家庭に対して蚊刺され予防のヒントを分かりやすくお伝えしました。

同年に、病気を媒介する蚊と闘うご家庭への製品提供および支援のため1,500万ドルを出資しました。最終的には480万個以上のSCジョンソン社製防虫剤・殺虫剤をNGOや非営利団体に配送し、必要な方々の元へ届けています。

「このような病気が家庭に及ぼす影響は計りしれない。しかしその脅威が存在し続ける限り、当社が何十年にも及んで蓄積した蚊の研究と専門技術を活かし、取り組みと援助の手を差し伸べられることをありがたく思う。」

SCジョンソン社会長兼CEO、フィスク・ジョンソン

SCジョンソン社は、すべてのご家庭から蚊が媒介する病気の脅威がなくなる日を待ち望んでいます。しかしその日が来るまで、できる限りの支援を続けることをお約束します。研究、教育プログラム、寄付、製品提供を通じ、あらゆる地域のご家族が蚊刺されを予防し、健康な生活を送るために必要なツールや情報を入手できるよう、当社は懸命に取り組み続けます。